韓国語・朝鮮語の否定表現について解説します。体言の否定表現は「-아니다」、用言の否定表現は「-지 않다」「안-」になります。また不可能を表す否定表現に「-지 못하다」「못-」があります。「〜ではない」「〜しない」「〜くない」「〜できない」などと訳されます。
Author について
東京外国語大学、津田塾大学、聖心女子大学などで韓国語・朝鮮語や韓国社会論を教えている。九州大学で博士号を取得。NHK出版の『ハングル練習帳』にコラムを書いたり、日本最大手の韓国語学校であるK-Villageの教科書を2冊執筆。JYJの記者会見をはじめ韓流アイドル関連や国際会議の通訳の仕事も。
体言の否定表現 「-이/가 아니다」
体言の否定表現「〜ではない」は、「-이/가 아니다」を使います。体言の最後にパッチムがある時は「-이」ない時は「-가」を使います。また합니다体の場合は「-이/가 아닙니다」、해요体の場合は「-이/가 아니에요」になります。
학생이 아닙니다.
学生ではありません。
친구가 아닙니다.
友達ではありません。
오늘이 아니에요.
今日ではありません。
바보가 아니에요.
バカではありません。
助詞の「-이/가」は最初に「〜が」と習うことが多いですが、ここでは「〜では」と訳されます。詳しくは右の記事をご覧になってください。>>間違えやすい助詞について
用言の否定表現①後置否定形 「-지 않다」
動詞、形容詞の語幹に「-지 않다」がつくと、「〜しない」「〜くない」と言う否定形になります。用言の後ろにつくので、後置否定形と言われます。後置否定形は次に見る前置否定形に比べて、より書き言葉的と言われます。합니다体の場合は、「 -지 않습니다」、해요体では「-지 않아요」になります。
먹지 않습니다.
食べません。
오늘은 춥지 않습니다.
今日は寒くありません。
일요일에는 학교에 가지 않아요.
日曜日は学校に行きません。
예쁘지 않아요.
可愛くありません。
用言の否定表現②前置否定形 「안-」
動詞、形容詞の前に「안-」をつけると、「〜しない」「〜くない」と言う否定形になります。こちらは用言の前につくので前置否定形と言われます。前置否定形は話し言葉的です。前置否定形は「名詞+하다」の用言につける場合は注意が必要です。
안 먹습니다.
食べません。
오늘은 안 춥습니다.
今日は寒くありません。
일요일에는 학교에 안 가요.
日曜日は学校に行きません。
안 예뻐요.
可愛くありません。
「名詞+하다」の形の用言の場合、「안」が名詞と「하다」の間に入ります。ただし「하다用言」には、「좋아하다」のように「名詞+하다」以外の形もあるので気をつけてください。
공부 안 합니다.
勉強しません。
사랑 안 해요.
愛していません。
안 좋아해요.
好きではありません。
存在詞の「있다」「없다」に前置否定形をつけることはできません。「【誤】안 있어요」の形はなく、その場合は普通に「없어요」と言います。また「모르다(わからない)」「알다(わかる)」も前置否定形を作ることはできません。
不可能を表す否定表現「-지 못하다」「못-」
「しない」のではなく「できない」場合には、「-지 못하다」と「못-」を使います。「못-」は「안-」と同じで「名詞+하다」の形の用言の場合「못」が名詞と「하다」の間に入ります。
오늘은 바빠서 가지 못합니다.
今日は忙しくて行けません。
오늘은 바빠서 못 가요.
今日は忙しくて行けません。
저는 운전 못해요.
私は運転できません。
不可能の表現には他にも「ㄹ/을 수 없다」があります。一般的に「ㄹ/을 수 없다」は、本来はできるけどなんらかの条件によってできない状況を表し、「-지 못하다」と「못-」は元々能力がないことを表すと言われています。
저는 운전 못해요.
私は運転できません。←元々免許がない
술을 마셨기 때문에 운전할 수 없어요.
お酒を飲んだので運転できません。←免許はある
また形容詞に「-지 못하다」がつくと、「足りない、及ばない」という意味になります。
저는 언니만큼 예쁘지 못해요.
私は姉ほどは可愛くないです(姉には及ばないです)。
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