「-아서/어서/여서」と「-고」は共に「〜て」と訳すこともできて間違えやすいのですが、使用法が異なります。「-아서/어서/여서」は主に理由や前提条件について話し、「-고」は並列や順次を表すときに使います。ただしこのような教科書的な説明では不十分な点もあるので、「-아서/어서/여서」と「-고」について説明した後で、例外について補足説明をします。
Author について
東京外国語大学、津田塾大学、聖心女子大学などで、韓国語・朝鮮語や韓国社会論を教えている。九州大学で博士号を取得。NHK出版の『ハングル練習帳』にコラムを書いたり、日本最大手の韓国語学校であるK-Villageの教科書を2冊執筆。JYJの記者会見をはじめ韓流アイドル関連や国際会議の通訳の仕事も。
「-아서/어서/여서」理由・前提動作
「-아서/어서/여서」は理由や前提動作をあらわす接続語尾です。前後の文の結びつきが強く、別々では成立しない時に使います。また「連用形+서」の形なので、해요体の作り方を知っておく必要があります。
>해요体の作り方について① >해요体の作り方について②(変則)
시간이 없어서 숙제를 못했어요.
時間がなくて宿題をできませんでした。(理由)
도서관에 가서 책을 빌려요.
図書館に行って本を借ります。(前提条件)
理由は比較的わかりやすいと思うのですが、前提条件の場合例えばそこで次の動作をやる時に「-아서/어서/여서」になります。「図書館に行った後、家に帰る」のように場所が移動する場合は、次にみる「-고」を使います。
「-고」並列・順次
「-고」は並列・順次を表す接続語尾で、「〜(し)て、〜し、〜(し)たり」と訳されます。それなので前後の文が、それぞれ独立的に成立することができます。
저는 대학생이고 여동생은 고등학생이에요.
私は大学生で、妹は高校生です。(並列)
밥을 먹고 공부를 해요.
ご飯を食べて勉強をします。(順次)
接続語尾「-고」は、「-고 있다(〜している)」や「-고 싶다(〜したい)」のように使われることもあります。>-아/어/여 있다と-고 있다の使い分けについて
영어를 배우고 있어요.
英語を習っています。
한국에 가고 싶어요.
韓国に行きたいです。
「韓国ドラマをみて韓国に興味を持った」
ここまで一般的な教科書で書かれている説明を行ってきました。それでは「韓国ドラマをみて韓国に興味を持った」と言う文はどうでしょう。
1. 한국 드라마를 보고 한국에 관심이 생겼어요.
2. 한국 드라마를 봐서 한국에 관심이 생겼어요.
上の説明を踏まえると、韓国に関心を持った理由を述べているので、「2」が正しいと感じる方が多いと思います。しかし実際に多くのネイティヴの人は「1」が自然だと考えます。その理由について説明します。なぜなら「-고」には、上で見た「並列・順次」の意味以外にも、前後の文章の間の契機となったという意味があります。
-고25「어미」
국립국어원 표준국어사전
「2」 ((동사 어간이나 어미 ‘-으시-’ 뒤에 붙어)) 앞뒤 절의 두 사실 간에 계기적인 관계가 있음을 나타내는 연결 어미.
つまり「1」は、「ドラマを見たことがきっかけで、韓国に興味を持った」という文になり、自然な文章になります。一方で「2」は文法的に間違いだとは言えませんが、「-아서/어서/여서」を使うと「韓国に興味を持つようになった唯一の理由が、ドラマを見たことと」いうニュアンスになります。これは不自然ですし、そもそもこの文章では理由よりも契機について話しているので、「1」が自然な文章になります。
(より正確にいうと「1」には省略されている部分があり「1. 한국 드라마를 보고 (나서) 한국에 관심이 생겼어요.」と考えることができます。ここで「-고 나다」は前の動作が終わったことを示す意味を持ち、そこに連結語尾の「-아서/어서/여서」がくっつき「보고 나서」になっている、つまり「見たことがきっかけで」と訳すことができます。ただ「-고」自体に契機になったという意味があるので、「(나서) 」が存在しなくても「1」の文は成立します。)
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