韓国語・朝鮮語にはこれまで習った「합니다体」「해요体」の他に、「반말=해体」と「한다体」があります。「반말=해体」は親しい間柄で使われるいわゆる「タメ語」で、「한다体」は下称とも呼ばれる、ぞんざいな表現です。日記や説明書などの書き言葉でもよく使われます。
Author について
東京外国語大学、津田塾大学、聖心女子大学などで韓国語・朝鮮語や韓国社会論を教えている。九州大学で博士号を取得。NHK出版の『ハングル練習帳』にコラムを書いたり、日本最大手の韓国語学校であるK-Villageの教科書を2冊執筆。JYJの記者会見をはじめ韓流アイドル関連や国際会議の通訳の仕事も。
友達同士も해요体で話すの?
仲良くなったら반말(해体)で話すのが普通かな。
そうなんだね。年下には?
年下には한다体も使う。한다体は引用文にも使ったりするよ。
「반말=해体」の作り方① 動詞・形容詞・存在詞
陽母音 | 오다 – 오 + 아 = 와 | 빨리 와. 早く来い。 |
陰母音 | 먹다 – 먹 + 어 = 먹어 | 같이 먹어. 一緒に食べよう。 |
하다用言 | 공부하다 – 공부하 + 여 =공부해 | 똑바로 공부해 ちゃんと勉強しろ。 |
으変則 | 예쁘다 – 예ㅃ + 어 = 예뻐 | 오늘도 예뻐. 今日も可愛い。 |
ㅂ変則 | 춥다 – 춥 + 어 = 추워 | 오늘 추워? 今日寒い?。 |
動詞・形容詞・存在詞の「반말=해体」は、「해요体」の「요」を取った形になります。つまり陽母音の場合は「-아」、陰母音の場合は「-어」をつけます。「해요体」と同じく変則が起きます。そして「반말=해体」も「해요体」と同じように、平叙・疑問・勧誘・命令の意味を持ちます。
「반말=해体」の作り方② 指定詞
子音体言 | 동생 – 동생이야 | 모자를 쓴 애가 우리 동생이야. 帽子を被っている子が私の妹/弟だ。 |
母音体言 | 친구 – 친구야 | 그는 내가 아끼는 친구야. 彼女/彼は私の大切な友達だ。 |
指定詞の「반말=해体」は「-야/이야」を使います。前に来る体言の最後のパッチムがあるかないかで「-야/이야」を使い分けます。
「한다体」の作り方①
動詞 | 語幹+-ㄴ다/는다 | 먹는다, 간다 |
形容詞・存在詞・指定詞 | 語幹+다 | 예쁘다, 있다, 친구이다 |
過去 | 語幹+았/었/였+다 | 먹었다, 사랑했다 |
未来 | 語幹+겠다 | 알겠다, 하겠다 |
動詞の「한다体」は「語幹+-ㄴ다/는다」、形容詞・存在詞・指定詞は「語幹+다」、つまり原形のままで「한다体」になります。また過去や未来の補助語幹の後にはそのまま「-다」をつけます。
나는 오늘도 고기를 먹는다.
僕は今日も肉を食べる。
일요일에는 학교에 안 간다.
日曜日は学校に行かない。
꽃이 예쁘다.
花が綺麗だ。
동생은 집에 있다.
妹/弟は家にいる。
내 취미는 운동이다.
僕の趣味は運動だ。
어제 친구를 만났다.
昨日友達に会った。
「한다体」の作り方② 疑問・命令・勧誘
動詞 | 形容詞 | 指定詞 | 存在詞 | |
平叙 | -ㄴ다/는다 | 原形 | 原形 | 原形 |
疑問(文語) | -니 | -니 | -니 | -니 |
疑問(口語・文語) | -느냐 | -냐/으냐 | -냐 | -느냐 |
勧誘 | -자 | – | – | -자 |
命令 | -아라/어라/여라 | – | – | 있어라 |
「반말=해体」や「해요体」がそのままの形で「平叙・疑問・勧誘・命令」の意味を持ったのに対し、「한다体」は「합니다体」のように「疑問・勧誘・命令」の場合は形を変える必要があります。「한다体」の疑問は「-니、-느냐?、-냐/으냐?」、「한다体」の勧誘形は「-자」、「한다体」の命令形は「-아라/어라/여라」を使います。ㄹ語幹の場合、疑問形を作る時にㄹの脱落にも気をつけましょう。
疑問形は話し言葉では語幹(補助語幹を含む)に「-니」をつけます。話し言葉と書き言葉の両方で使える用法として、動詞の場合は「-느냐」、形容詞の場合は「-냐/으냐」をつけますが、話し言葉として使う場合この「느」と「으」は省略可能です。
오늘도 알바 가니?
今日もバイト行く?
밥 먹었니?
ご飯食べた?
숙제 다 했느냐(했냐)?
宿題全部やった?
왜 이렇게 추우냐(춥냐)?
なんでこんなに寒いの?
선생님이 니 친구냐?
先生がお前の友達か?
勧誘形の場合は語幹に「-자」をつけ、の命令形は「-아라/어라/여라」を使います。
같이 놀자.
一緒に遊ぼう。
빨리 먹어라.
早く食え。
열심히 공부 해라.
一所懸命勉強しろ。
먹어라? 먹으라?
한다体の命令形は「連用形+라」と説明しましたが、「먹으라」という言葉もあります。これは「語幹+라/으라」の形で、「라/으라」が命令形の終結語尾なので同じように命令の表現になります。ただし「語幹+라/으라」は文語的な表現で、話し言葉では基本的には使いません。また引用文の場合は、例えば「먹으라고 했다(食べろと言った)」などと使うことができます。
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