「이 그 저」=「この その あの」と覚えると間違える

ワンポイントレッスン

いわゆるこそあど言葉の「この その あの」は「이 그 저」と説明される場合がありますが、これは必ずしも正確ではありません。距離を表す時は「이 그 저」=「この その あの」で大丈夫ですが、以前話題に出たことを指す時は=にならないので気をつけましょう。

Author について
東京外国語大学、津田塾大学、聖心女子大学などで韓国語・朝鮮語や韓国社会論を教えている。九州大学で博士号を取得。NHK出版の『ハングル練習帳』にコラムを書いたり、日本最大手の韓国語学校であるK-Villageの教科書を2冊執筆。JYJの記者会見をはじめ韓流アイドル関連や国際会議の通訳の仕事も。

저 사람하고 어떻게 됐어요?
(「저 사람」とどうなりましたか?)

「저 사람」? どこにいる人?私たちしかいないけど。

この前話してた「あの人」だよ。

あ、「그 사람」のことね。

 

距離を表す時は「이 그 저」=「この その あの」で問題ありません。例えば近い順から、「이 교과서」「그 교과서」「저 교과서」で、「この教科書」「その教科書」「あの教科書」になります。しかし以前話題に出たことを話す場合には気を付ける必要があります。

日本語では以前話題に出たこと、つまり話し手も聞き手も知っている人物や事柄を表す時に「あの」を使います。例えば「あのお店行った?」「あの曲聞いた?」「あの人とどうなったの?」などです。しかし韓国語・朝鮮語では以前話題に出たことを話す時に「그」を使います。


2. その。あの。れいの【例の】
앞에서 이미 이야기한 대상을 가리킬 때 쓰는 말.
すでに話した対象をさすときに使う語。

出典:国立国語院 韓国語-日本語学習辞典 2冠形詞より 

例えば「그 가게 갔어?」「그 노래 들었어?」「그 사람하고 어떻게 됐어?」 などです。韓国語・朝鮮語の「저」には以前話題に出たことを指す意味はなく、「【誤】저 노래 들었어?」などのようには使わないので気をつけてください。

また日本語では、今話している、または話したばかりの事柄をさす時には「その」を使ったり、話し手が当面している事柄に対しては「この」を使うことができます。韓国語・朝鮮語の「」にも、今さっき話したばかりのことを指す用法があります。ただし上に見たように「저」にはそのような用法はありません。

そして韓国語・朝鮮語ネイティブの人が「公園に行ったんだけど、その公園でドラマの撮影をしていた」のような文を「公園に行ったんだけど、あの公園でドラマの撮影をしていた」とよく間違えます。日本語では「その」を使うべき場所に「あの」と使ってしまうのは、韓国語ネイティブの人によく見られる間違いです。

【004】「このそのあの」=「이 그 저」で覚えると間違える【韓国語文法】

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