韓国語・朝鮮語の使役表現「〜させる」にはいくつかの作り方があります。ただ해요体のように決まったルールがあるわけではないので、それぞれ覚える必要があります。作り方は①「이、히、리、기、우、구、추」をつける方法、②動詞や形容詞の語幹に「-게 하다/만들다」をつける方法、③「名詞+하다」の形の動詞を「名詞+시키다」に変える方法があります。
Author について
東京外国語大学、津田塾大学、聖心女子大学などで韓国語・朝鮮語や韓国社会論を教えている。九州大学で博士号を取得。NHK出版の『ハングル練習帳』にコラムを書いたり、日本最大手の韓国語学校であるK-Villageの教科書を2冊執筆。JYJの記者会見をはじめ韓流アイドル関連や国際会議の通訳の仕事も。
「이、히、리、기、우、구、추」
動詞や形容詞の語幹に「이、히、리、기、우、구、추」をつけると使役表現になります。ただしそれぞれの語幹に対して接尾辞が決まっていて、法則性もないので、一つずつ覚える必要があります。動詞の語幹につく場合は使役になる場合と他動詞になる場合があり、形容詞の語幹につく場合は他動詞になります。
이 | 먹이다(食べさせる) 보이다(見せる) 죽이다(殺す) 줄이다(減らす) 높이다(高める) |
히 | 앉히다(座らせる) 입히다(着させる) 넓히다(広げる) 밝히다(明るくする) 익히다(実らせる) |
리 | 알리다(知らせる) 울리다(泣かせる) 살리다(生かす) 얼리다(凍らせる) 놀리다(遊ばせる) |
기 | 웃기다(笑わせる) 맡기다(任せる) 남기다(残す) 벗기다(脱がせる) 숨기다(隠す) |
우 | 깨우다((寝ている人を)起こす) 비우다(空にする) 새우다(夜を明かす) 서다→세우다(立てる) 타다→태우다(焼く) |
구 | 돋구다(高める) 일구다((何かを)起こす) |
추 | 낮추다(低くする) 늦추다(遅らせる) 맞추다(合わせる) |
「보다」は受け身表現も「보이다(見える)」、使役表現も「보이다(見せる)」になります。
>>受け身表現の作り方について
「-게 하다/만들다」
動詞や形容詞の語幹に「-게 하다」をつけると使役表現になります。また「-게 만들다」はより強制的な意味合いが含まれますが、使える範囲は「-게 하다」よりも限られます。
오게 하다(来させる) 가게 하다(行かせる) 일하게 하다(働かせる) 만나게 하다(会わせる)
기쁘게 하다(喜ばせる) 슬프게 하다(悲しませる) 따뜻하게 하다(暖かくする)
걱정하게 만들다(心配させる) 다치게 만들다(怪我をさせる)
「이、히、리、기、우、구、추」の形と「-게 하다」ではニュアンスが異なります。例えば、「입히다」と「입게 하다」ですが、
a. 아이에게 옷을 입혔다.
b. 아이에게 옷을 입게 했다.
aとbはどちらも「子供に服を着せた」と訳すことができますが、aは親が直接手取り足取り服を着せたのに対し、bは子供に服を着るように言い、子供が自分で着るようにさせたという意味になります。
「名詞+시키다」
「名詞+하다」の形の動詞は、「名詞+시키다」の形に直すと使役表現になります。
공부시키다(勉強させる) 결혼시키다(結婚させる) 중지시키다(中止させる) など
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