韓国語・朝鮮語の連体形の作り方について

基本文法

「連体形」とは、用言(動詞、形容詞、指定詞、存在詞)が体言(名詞、代名詞、数詞など)の前に置かれ、体言を修飾 する時にとる形を言います。日本語の場合、「料理が美味しい」「美味しい料理」と形が変わらない場合が多いのですが、朝鮮語・韓国語の連体形は形が変ります。用言ごとに変化の規則が異なるので、しっかりと覚えましょう。

Author について
東京外国語大学、津田塾大学、聖心女子大学などで韓国語・朝鮮語や韓国社会論を教えている。九州大学で博士号を取得。NHK出版の『ハングル練習帳』にコラムを書いたり、日本最大手の韓国語学校であるK-Villageの教科書を2冊執筆。JYJの記者会見をはじめ韓流アイドル関連や国際会議の通訳の仕事も。

動詞の連体形 

動詞の連体形には、現在・過去・回想・未来の四つがあります。回想がちょっと分かりにくいのですが、これは昔行っていた習慣などを現在の地点から思い出して述べるときの用法です。また後述するように – 던には他の用法もあります。

現在語幹+는오늘 먹는 라면(今日食べるラーメン)
過去語幹+ᄂ/은어제 먹은 삼겹살(昨日食べたサムギョッサル)
같이 본 영화 (一緒に観た映画)
回想語幹+던옛날 자주 먹던 빵(昔よく食べたパン)
未来語幹+ᄅ/을내일 먹을 치즈핫도그(明日食べるチーズホットドック)
공부할 예정(勉強する予定)

때(時)뿐(だけ)생각(考え)작정(つもり)예정(予定)などの名詞の前では、必ず未来連体形を使います。また、「ーした時」など過去のことを言う場合には過去を表わす補助語幹-았/었/였とともに用います。

일본에 올 때에는 꼭 연락해 주세요 . 

日本に来る時は必ず連絡をしてください。

한국에 갔을 때 홍대에서 술을 먹었어요 .

韓国に行った時ホンデでお酒を飲みました。

ᄅ語幹の場合、現在・過去・未来形においてパッチムᄅ(および으)が脱落します。

現在팔+는=파는 한국에서 파는 옷 (韓国で売っている服) 
過去팔+은=판 고서점에서 판 책 (古本屋で売った本)
回想팔+던=팔던 할아버지가 팔던 구두 (おじいさんが売っていた靴)
未来팔+을=팔 다음주부터 팔 상품 (来週から売る商品)

次に、ᄃ変則、ᄉ変則、ᄇ変則の場合も、過去形と未来形において変則が起きます。

ᄃ変則 : ᄃ→ᄅ  例)듣다(聴く、聞く)  

現在듣+는=듣는매일 듣는 음악 (毎日聴く音楽)
過去듣+은=들은어제 들은 노래 (昨日聴いた歌)
回想듣+던=듣던옛날 자주 듣던 가수 (昔よく聴いた歌手)
未来듣+을=들을내일 들을 아야기(来週聞く話)

ᄉ変則 : ᄉの脱落  例)짓다(作る、建てる)

現在 짓+는=짓는그가 짓는 가사 (彼が作る歌詞)
過去짓+은=지은내가 지은 요리 (私が作った料理)
回想짓+던=짓던니가 짓던 표정 (君が作った表情)
未来짓+을=지을새로 지을 집 (新しく建てる家)

ᄇ変則 ᄇ→ᅮ  例)돕다(助ける、手伝う)

現在돕+는=돕는돕는 친구(手伝う友達)
過去돕+은=도운도운 일(手伝ったこと)
回想돕+던=돕던자주 돕던 작업(よく手伝った作業)
未来돕+을=도울도울 생각(手伝う考え) 

-던は過去の習慣などを回想する意味とは別に、直前まで続いていたことを表す用法もあります。これに対して -았/었/였던は、その動作が終わってから時間が経っていることを表わします。ニュアンスが少し異なるので注意しましょう。また過去を思い出す時に(回想)- 았/었/였던を使う場合もあります。この場合は意味上の違いはほとんどありません。また話し言葉でもよく-았/었/였던が使われます

내리던 비가 그쳤다. 

(さっきまで)降っていた雨が止んだ。

비가 내렸던 어제 하루는 계속 집에 있었다. 
雨が降っていた昨日は1日中家にいた。

내가 다니던/다녔던 초등학교

私が通っていた学校

形容詞の連体形

形容詞の連体形には、現在・過去・未来の三つの形があります。未来連体形はふつう「~だろう」などの推測の形で使われることが多いです。形容詞の場合回想はありません。(教科書によっては「過去」とは違う名前で教えることもあります)

現在語幹+ᄂ/은예쁜 카페(可愛いカフェ), 높은 산(高い山)
過去語幹+던어둡던 하늘(暗かった空)
未来語幹+ᄅ/을고속터미널역이 더 쌀 거예요 .(高速ターミナル駅がもっと安いはずです。)

멋있다(かっこいい)や재미없다(つまらない)のように-있다 ,-없다がつく形容詞存在詞の活用の形を取ります。現在連体形では-는がつきます。

멋있는 사람 (かっこいい人)
재미없는 수업 (つまらない授業)

-하다が付く形の用言には、動詞と形容詞が両方あるので混同しないように気をつけましょう。

생각하다 생각하는 사람 (考える人)  動詞  
조용하다 조용한 사람 (静かな人) 形容詞

形容詞の連体形を作る際には、ᄇ変則ᄒ変則ᄉ変則にも気を付けましょう。 

ᄇ変則 ᄇ→ᅮ  例)덥다(暑い) 

現在덥+은=더운더운 날씨(暑い天気)
過去덥+던=덥던덥던 여름(暑かった夏)
未来덥+을=더울더울 거예요(暑いはずです)

ᄒ変則 ᄒと으の脱落  例)빨갛다(赤い)

現在빨갛+은=빨간빨간 구두 (赤い靴)
過去빨갛+던=빨갛던빨갛던 얼굴 (赤かった顔)
未来빨갛+을=빨갈빨갈 거예요 (赤いはずです)

ᄉ変則 : ᄉの脱落  例)낫다(マシだ、よい)

現在낫+는=나은좀더 나은 결과 (もうちょっと良い結果)
過去낫+던=낫던낫던 사람(マシだった人)
未来낫+을=나을실물이 더 나을 거예요(実物はもっとマシでしょう)

形容詞の連体形もよく-던の前に過去を表す補助語幹とある-았/었/였をつけて使います。その場合、より過去であるニュアンスをもちます。

추웠던 겨울(寒かった冬)
예뻤던 친구(可愛かった友達)

存在詞の連体形

韓国語の存在詞있다 , 없다の連体形の作り方は動詞とも形容詞とも違います。また過去形は있은という形も可能ですが、あまり使いません。また回想はありません。

現在語幹+는학교 옆에 있는 집(学校の隣にある家)
過去語幹+던우리 학교에 계시던 선생님 (私の学校にいらっしゃった先生)
未来語幹+ᄅ/을거기에는 없을 거예요 .(そこにはないはずです。) 

上のように、人をあらわす存在詞の尊敬表現は계시다になるので気をつけましょう。また存在詞もよく話し言葉で-았/었던の形を用います。 

책상 위에 있었던 지갑이 없어요 .

机の上にあった財布がありません。

이제까지 없었던 가게가 새로 생겼어요 .

今までなかった店が新しくできました。

指定詞の連体形

指定詞 – 이다 ,- 아니다の連体形の作り方は次の通りです。指定詞の場合も回想はありません。

現在語幹+ᄂ 회사원인 언니(会社員の姉), 남자친구가 아닌 그냥 친구(彼氏ではない、ただの友達)
過去語幹+던초등학생이던 남동생(小学生だった弟)  
未来語幹+ᄅ거짓말일 거예요 .(嘘でしょう。)

– 인と-의は両方とも日本語で「~の」と訳されることもありますが、意味が違うので気をつけてください。 

회사원의 언니(会社員の姉) 会社員 ≠ 姉
회사원인 언니(会社員の姉、会社員である姉) 会社員 = 姉

指定詞もよく話し言葉で-었던の形を用います。 

야구선수였던 오빠(野球の選手だった兄)
부자가 아니었던 아저씨(お金持ちではなかったおじさん)

まとめの表

動詞形容詞存在詞指定詞
現在ᄂ/은
過去ᄂ/은
回想
未来ᄅ/을ᄅ/을ᄅ/을
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